意外なICのハンダ不良による表示乱れ
2022/01/25
規則的な液晶の表示乱れ。
筐体は100LXですが、後期型なので液晶表示部は200LXと同じものです。
液晶部から、基板への信号線の接触が悪くなると、このような表示になることがあります。 不良表示は不規則に変化することも特徴です。
良くある不良原因は、液晶裏のコネクタの接触不良です。
ところが、この個体ではコネクタをハンダ付けしています。
接続不良も見られません。
そうなると、液晶から基板までのリボンケーブル(フレキ)の断線が疑われます。
抵抗はほとんど無く、正常なのですが、予備的にバイパスしました。
フレキの断線部位はほぼ決まっていますし。
液晶表示部を基板に仮接続して、表示を確認。
正常に表示したのですが、液晶を触ると、ブルー(ブラック)スクリーン状態。
当初の不具合は、フレキ断線ではなかったようです。
液晶裏を観察。表示全体に関する不具合は、基板のパターン切れが考えられます。 しかし腐食などもなく、基板そのものは問題なさそう。
以前、中央のICの取り付け半田不良で表示乱れがあったことを思い出しました。
ですが、ICの足を拡大観察しても半田は綺麗です。
他に手がないので、ICを外してみました。(半田吸い取り線で吸い取り、ICをマイナスドライバで浮かせると外れる。)
ICはきれいに外れたのですが、基板と接する部分が変色している。
ん? これは酸化ではないか。
ICの足と、基板側の古い半田を綺麗に除去(足の変色部は削り取る)。 その後フラックスを十分に塗って再半田取り付け。
これで安定した表示になりました。(不具合解消)
実は、ICの半田酸化と断定するには、上記作業以外、何度か試行錯誤しています。 直ったと思い、最終組み立て後に不具合が生ずる等。
この例は要するに、ICの半田付けは綺麗に見えても、接触が不良になっていることがある。 変色部には磨き(酸化膜除去)が必要。という例でした。