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液晶黒変、偏光板除去を楽に行う。

      2024/02/18

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液晶黒変

いわゆるビネガーシンドローム。映画フィルムで発生したことが最初とか。
化学物質には経年変化がつきもの。
なんらかのバクテリア?が原因と言われているとかいないとか。
とにかく、黒変した部分を取り去って、偏光板を切って置けばとりあえず使えるようになります。

ただし、偏光板は液晶ガラスの表面だけでなく、裏にもあるので、黒変が必ず復活するわけではありません。

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表面の偏光板を交換後に発生した黒シミ

表面簡易除去手法

特徴
・本体を分解せず、表面液晶のみを削り取ります。
・剥離剤など特殊な化学薬品を使用しない。
・周囲に剥離粉が飛散しない。

手順

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化粧枠を取り外す。 両面テープで接着しているだけなので、隅からゆっくり剥がす。

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表面の偏光板(樹脂)と、液晶ガラスとの間に彫刻刀を入れて削りながら剥がしてゆく。
彫刻刀は平型使用。このときに、偏光板をめくり剥がさないことに注意。
偏光板は、もともと粘着層によってガラス面に貼り付いている。
黒変した際には、粘着層が固化しているので、表面を剥がすとこの固化した粘着層がガラス面に残る。
これの除去が厄介なので剥離剤などで溶かしとる。
固着残渣(ざんさ)を溶剤で溶かさずに彫刻刀で剥がそうとすると、ガラスのような粉(固化粘着物質)が舞うように周囲に飛散する。これがたいへん。

今回の方法は、この固着層を飛散させず、剥がそうとする偏光板に内側から再付着させるように剥がしてゆく。
つまり、徐々に徐々に彫刻刀を使って固着層と黒変偏光板を一体化させながら剥がしてゆく。

なぜこれが可能かと言えば、彫刻刀ではガラス層に傷が着かないから。

彫刻刀は、固着層より固く、ガラス層より柔らかい。

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周囲を汚さずに偏光板と固着層が剥がれてゆく。
彫刻刀は固着層が取れるまで同じところを何度も往復させる。

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偏光板+固着層を剥がし終えて裏返したところ。
固着層は、一旦粉のようになるが、残った粘着層に捉えられている。

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ガラス面に残った粘着層を彫刻刀で取り去る。

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仕上げは、アクリル接着剤とか、無水アルコールできれいになります。
ウイスキーでも良いかも。  無水アルコールは発火注意。

あとは偏光板を適宜の回転角度で見やすい位置にしたら、枠に合わせて切断。
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回転角度を調整すると、緑から黄色の中間辺りが見やすいと思います。
この写真は、緑すぎ。 偏光板の歩留まり良く切ろうとして失敗。

(偏光板の両面には保護フィルムが貼ってありますので、このみで適宜除去。  フィルムには艶消しの効果がある。)

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