lx-rest (hp200LX)に関する修理改造情報(保存サイト)

hp200LXは今でも現役です。(修理情報)

電池交換の際に毎回リブートしてしまう。

      2016/12/16

電池
電池交換

充電式で使わない場合には、電池交換が当然必要です。
200LXでは、電池を抜いてもバックアップ電池によって、スタンバイの状態が保持されます。

ところが、どうも最近は電池交換の際にいちいちリブートします。
C:ドライブ(RAM)の内容は保持されているので、バックアップはされています。

パソコンでいえばハードディスクの内容までは消えていない状態。
ただし、デスクトップで作業中の内容はリブートで消えてしまうという状況です。
200LXの場合は、ハードディスクに当たる部分が、電池で保持されるランダムアクセスメモリ(RAM)になります。 ですから電源offは、パソコンでいえばスタンバイ状態です。
診断
(1)主電池を抜くと、毎回リブートする。
(2)c:ドライブの内容は消えていない。
(3)backup battery low の警告表示はでていない。

リブート
電池交換後のリブート

出掛けで忙しかったりして、電源オンのまま電池を換えてしまったのだと思っていました。
ところが、どうも毎回ではおかしい。

何か基板がおかしくなったか。
しかし、基板交換するとバックライトのインバーターも移設しなくてはならないので面倒
バッテリーLOWの表示

バッテリー低下の警告

バックアップ電池を抜くと、警告表示は正常。 ということは基板は悪くなさそう。
まさかとはおもうけれど、一応バックアップバッテリーを交換してみよう。
バックアップ電池交換
バックアップ電池

すると、電池(主電池単3型)を抜いてもリブートしなくなりました。


考察

なぜこんな状況になるのだろう。
バックアップ電池を交換して直るのだから、電池があやしい。
けれど、電圧低下の警告はでていない。(電圧検出回路は正常)

電池の電圧と、容量をしらべよう。
バックアップ電池の電圧[4]

電池電圧測定

電圧はテスター(アナログ針式)で2.8V(ボルト)
定格3Vからは少し減ってはいるけれどまだ問題ない値です。

では容量はどうか。
電池の容量測定
電池電流測定

電池の容量は、電圧と電流を測定するとわかります。
ここでは微妙な容量測定ではなく、交換すべきかどうかの判断です。

テスタの30mAレンジで測定(テスタ棒を直接電池に接続)すると、わずかに針が触れるだけです。
あれー 容量がほとんど無い。 けれど、電圧はなんで下がっていないのだろう。

新品の電池(CR2032)では、30mAレンジどころか、300mAレンジでもメーター針が振り切れます。

つまり、電池の特殊な劣化だと思いました。
電池劣化のイメージ
電池劣化のイメージ

つまり、電池の劣化では全体電圧が下がるのが普通ですが、この場合極一部の電池が生き残っているという感じです。 このため、電圧としては3ボルト近くあり、テスターの針を動かすには十分でも電流測定の際の短絡(低抵抗)には耐えられない。

これを200LXに入れると、c:ドライブを保持する電圧と容量はあるけれど、デスクトップのキャッシュを保持するだけの容量がなかったという感じでしょう。

CR2032

使われていたCR2032

ちなみに使われていた電池のメーカーはわかりません。
カタカナでリチウムバッテリーと刻印されていることが特徴です。

 


アナログテスター

デジタルが主流の現在でも、針式テスターが一番使いやすいです。(個人の感想)
針がとまる位置だけでなく、どう動くか(早いか、遅いか)の情報も、貴重です。
抵抗レンジでは、電圧供給装置にもなります。 LEDを測定すると光ります。

デジタルにはデジタルの良さがあります。(デジタル式も、もちろん役立つツールです。)

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